*水曜日の情事

ぴん、ぽぉん。
紅茶のパックを揺らす手を止めて、ついでにコンロの火も止めた。煮出しすぎると味が渋くなってしまうのだ。美味しいアイスティーの煮出し時間、きっかり21分にはまだ少し早いが、長過ぎるよりはましだ。
「はい」
インターホンに応答すると「シャークハットピザのお届けでーす」機械を通した声が返ってきた。遙は宅配ピザを好まないが、今朝はジャンクフード好きの夫から「たまにはこってりしたもんが食いたい」とリクエストがあった。

『おれが、時間と手間ひまをかけて毎日バランスのとれた食事を用意してやってるのに、おまえはそんな体に悪いものを……』
『いや感謝してるよ!けど三食サバざんまいは勘弁、頼むからせめて弁当には肉入れてくれ』
『鯖は血がきれいになるし、脳を活性化させるし、おまけに美肌効果もあってしかも美味い。おまえは鯖のポテンシャルの高さを何んにもわかってない』
『うん、お前めっちゃ肌キレイだもんな。実感してるし実証済みだ、それは認める。それはそれとして頼む、ピザ代は俺の小遣いから出すから』
『……仕方ないな』

玄関を開けると、帽子を深く被った男がピザの大箱を抱えていた。
「タンドリーチキンLと生ハムクリームチーズL、野菜サラダとオニオンリングです」
「どうも」
箱が大きかったのでひとまず床に置いてもらって、代金を支払うと領収書を用意しながら男がぼそりと呟いた。
「……今日は奥さんお一人なんですか」
「主人は昼過ぎには戻ります」
領収書を受け取って、くるりと背中を向けると背後でガチャン、とドアが閉まる音がした。
「奥さん!」
「、あっ」
出て行った筈のピザ屋の男が、後ろから遙を羽交い絞めにした。すっかり気を緩めていた遙は、抵抗する暇もなくそのまま上がり框に倒された。うつ伏せになった遙の服の中に手を入れてはぁはぁ荒い息を吐きながら、男は好き勝手に体をまさぐった。
「俺ずっと前から奥さんのこと見てて、すげぇ美人で、可愛くて。腰が細いのにお尻が大きいとこ、エロいなって思って堪んなくて、触りたくて、ずっとこうしたいって思ってて……!」
「っやめ、」
無骨な指が遙のちいさな乳首を乱暴に摘まんで、きゅっと引っ張った。
「!ッア」
いきなりの直接的な刺激に、遙は思わず高い声を上げた。胸への強い刺激は苦手だ。夫もそれを知っていて、いつも優しく触ってくれる。時間をかけた愛撫ですっかり体が出来上がって、気持ちが最高に盛り上がった時に、さんざん焦らしたご褒美のように突き出してやると、子どもみたいに喜んで、大きな口を開けて、尖った歯で——
「あぁん!」
きつく噛まれた。まだ何も準備が出来ていない遙の体は、けれど確かな快感を拾ってしまった。
「ッいつもあんなにお高くとまってんのに、服の下はこんなにエロいんすね。あー、可愛い乳首こんな膨らませちゃって、本当はエッチ大好きなんだ?もしかして欲求不満だったりする?奥さんがこんなエロくちゃ旦那さん、さぞかし心配だろうな」
言いながら、男は遙のシャツを胸までまくり上げて、ぷっくり腫れた乳首に指先でくりくり悪戯しながら、ゆるゆるのスウェットを片手で難なく膝まで摺り下げた。
「あっダメ」
「こんなすぐ脱げる服、ちょっと摺らすだけですぐ入っちゃうよ。もっと危機感持たなきゃダメだって、俺みたいなヤツに好き勝手されちゃうぜ。ほら手ついて、腰上げて」
首を横に振る。部屋着がゆるいのはすぐに脱げるから、すぐに水に入れるから、……夫がしたくなった時、すぐに出来るように。言われるがままに床に両手をついて、腰を付き出す姿勢になる。こんなところで、こんな格好したことない、イヤだ、恥ずかしい……。
「……ん」
カチ、ジィ、慣れた動作でベルトを外してファスナーを下げる音のあと、ヌチ、ヌチ、取り出したアレを扱く音が聞こえた。濡れた音に耳が赤くなるのを感じて目を瞑ると、床についていた片腕を引っ張られて、そのまま後ろ手に硬いものを握らされた。
(あ、太……)
「奥さんの手で、俺の大っきくして」
先走りでぬるぅっと滑る男のモノを慣れない姿勢で上下に扱いているうち、半勃ちだったのがすぐにむくりと上を向いたのがわかった。遙は思わずごくんと唾を飲み込む。硬くて太いこれを、後ろに入れた時の気持ちよさを知っている。夢中で手を動かしているとぐんぐん育って、やがて腹に付くほど反り返った頃、ぬちゃっと糸を引きながら指から離された。厭らしくひくひく収縮する穴の期待に応えるかのように、熱いものがぴたりとあてがわれた。焦らすように縁をヌル、ヌルリッと滑るのに堪え切れず声が出てしまう。
「あっ、ぁっ」
「うわすげ、先っぽにちゅうちゅう吸い付いてくる……。そんな欲しいんだ、奥さん。俺のコレ入れたくて堪んないんだ。いいの?旦那さんに内緒でこんな簡単に、その辺の男の勃起ちんぽ入れちゃってもいいのかよ?」
「っ、だめ、」
ヌ、ぷ、と生々しい音を立てて、濡れた先端がめり込んできた。入り口で少しの抵抗があって、けれどそんなものは無いも同じだ。抱かれ慣れた体は勝手に腰を揺すって、いちばん太いところをぬるん!と飲み込んだ。男が声を殺して笑う。勢いのついた生のペニスが、そのままズブブ……と根元まで一気に押し込まれた。
「んん~!んっ、ぁ、はぁっ、」
男の下生えが尻に当たるちくりとした感触に、遙はある種の達成感のようなものを感じて、ほぅっと熱い溜め息を吐いた。
「は……、ナカぬるぬる、キツキツですげー気持ちいい……。てかぐっちょぐちょ、もしかして奥さん、旦那とエッチしたばっかり?マジかよ朝から生中出しとか、どんだけサカッてんだよ」
揶揄しながらも男の腰の動きは止まらず、後ろからぬっちゃぬちゃ耳を塞ぎたくなるような音が聞こえてくる。潤滑剤なんて使っている筈もなくて、遙はそれが今朝の名残りだと気付いて途端に羞恥に襲われた。ぱちゅん!とたやすく奥に到達したモノが、遙のいいところにぐりぐりと亀頭を押し付けてきた。頭を左右に振って、額をつめたい床に押し付けて、知らず腰を揺らしながら、与えられる快感に遙は身悶えた。
「んんン~~!」
腰を掴んだ両手の指がぎゅううっと肌に食い込んで、ヌッヌッと抜き差しの速度を早めた。
——こんなお手軽に、ほとんど服も脱がずに、すぐに足を開いて突っ込まれて、まるでインスタント麺みたいなセックス。なんて最低、なのに、なのに。
「ふっ、『セックスなんか義務でやってます』みたいな澄ました顔してるくせに、ひん剥いて見りゃこんなスケベな体、はぁっ、旦那も可哀想に。毎朝毎晩せっせと種付けて、他の男が寄り付かないように必死で牽制してんのに、当の本人は誰とでもヤるど淫乱かよ。あー……、ヤバい、すぐ出る、」
「あっぁっ、だめ、だめ」
気持ちよくなってしまう。こんな玄関先で、すぐ外でご近所さんが歩いているような時間帯に、膝まで下着ごと摺り下ろされただけの恥ずかしい姿で、床に手を付いて、尻を突き出して、声を押し殺して、たった10分のインスタントセックスで、あっ、あっ、
「はっ、奥さん、いい?奥さんのナカに俺の精子ぶち撒けちゃっていい?俺ので旦那の上書きしちゃうけどいい?」
「、ッ、いいっ、出して、だして、熱いの出してっ」
男の指先に、ぎりっと力が込められた。限界まで膨らんだ重たい陰嚢が尻たぶに当たって、その中身の量を想像するだけで興奮した。——こんなにたくさん、ナカに出されたらきっと、溢れてしまう……。
「あっ出して、ソコに詰まってるのぜんぶ出して!知らないお兄さんのエッチな精子、あいつが帰ってくるまえに、内緒でおれの中にいっぱい出してぇ」
「!!……ぅっ」
ドピュ!と中に出される感覚の後、すぐにあたたかいものでナカを充たされた。二度目の射精は長くて、量も多くて、遙はうっとりと全身で酔いしれた。床に性器を擦り付けるようにして、自身もトロトロと力なく吐精した。ほそい腰を両手でがっちり掴んで、引き寄せてゆさゆさ揺すぶって、最後の一滴まで遙の中に絞り出すと、男は「はぁ~……」と脱力したような声を出した。
耳もとに熱い吐息を感じて、少しだけ振り向く形でうすく開いた唇がすぐに塞がれた。そのままぬるッと舌が入り込んでくる。
「ンン……」
べろを舐めしゃぶりながら、噛んだり引っ張ったり、歯のつるつるした表面を舐めたり、そうやって口内をねろねろ好き勝手に弄ばれながら、飲み込めずにこぼれ落ちたよだれを厚い舌で舐め取られた。酸欠になるほど続いたしつこいキスは、つぅ~っと粘こい糸を引きながら唇が離れてようやく終わった。
「ン、気持ちかった……」
トロンとした表情でそうつぶやくと、遙は力なく床に突っ伏したまま、唾液で濡れそぼった唇を舐めた。
「……こら、ハル。お前、なんだよ最後のアレは」
遙を睨み付けながら、凛はヌポッと性器を引き抜いた。途端に後ろから精液がトロリと溢れ出す。何度経験してもかるい排泄のような、あまり慣れたくない感覚に、遙はぶるっと身震いした。
「ァ、ん。……なにって、おまえが言い出したんだろ」
「ッそうだけど!俺は最後までなるべく抵抗してくれって言っただろ!」

『ごめんなさい、あなた。愛する夫への裏切り!快楽堕ち団地妻、真昼の情事』いかにもなタイトルのDVDを、凛の部屋を掃除していて発見した時の遙の怒りは凄まじかった。
——おれというものがありながら、こんなどこの馬の骨ともわからない女優なんかに無駄打ちして!
その夜、帰ってきた夫を床に正座させて「どういうことだ」「おれに不満があるっていうのか」と鬼の形相で詰め寄ると、「女優の髪型と頭の形がお前に似てて、ついお前で想像したら死ぬほど辛くて、けどめちゃめちゃ興奮して、気付いたら出してた」とか何の言い訳にもならない最低な告白をされた挙句、最終的には「これでイメクラプレイがしたいです」と土下座された。

「もっとしっかり抵抗して欲しかったんだよ!なのにお前、最初っから言いなりだし、す~ぐ気持ちよくなってるし、挙句になんだあの『あいつが帰ってくる前に内緒で出して♥』は!信じらんねえ、あんなんもうガチで裏切りじゃねえか泣くかと思ったわ!」
「DVDは奥さんが即堕ちしててあんな感じだったろ。おれは忠実に再現したまでだ」
大体おまえも大興奮してたくせに。遙は呆れながら、玄関の脇に用意していたタオルに手を伸ばして後ろを拭った。二回分の精液がトロトロと流れてくる。よりリアリティを出すために、とか何とか理由をつけて、プレイ直前にちゃっかり一発キメるあたり、こいつはほんとにスケベだ。屈んでずらされた下着を引き上げると、後ろに絡み付くような視線を感じた。……ほら、やっぱり。凛のすけべ。

「満足したか?」
「……、……、はい」

すっかり冷めたピザ(凛が店舗まで買いに行った)を温め直して、ひとくち齧る。やっぱり味が濃かったけれど、だいぶ体力を消耗していたせいかいつもより美味く感じた。
「肉と炭水化物ばっかりだ。やっぱり鯖を焼こうか」
「いや今日はこれだけで!ホラ、野菜もあるし、な!」
サラダを取り分けながら、凛は上機嫌だった。なんだかんだ、遙が自分の要望を聞き入れてくれたことが嬉しかったらしい。……ピザ然り、イメクラ然り。
「なあ凛」
「んー?」
濃厚なクリームチーズを少しずつ舌で舐め取りながら、遙がぽそりとつぶやいた。

「尻が大きいのがエロいって、あれ本音だろ」

凛は持っていたデカンタを取り落とした。ドパドパドパ~!とアイスティーが畳に零れる。
「ばか、せっかく作ったのに」
「ごめ、いや違、いや違わないけど、じゃなくて」
真っ赤になってあからさまに動揺している凛が面白くて、遙は思わず笑ってしまった。乾いたふきんで畳を叩きながら、もう少しだけ意地悪をしてやりたい気持ちが勝った。されてばっかりじゃ不公平だ。
「髪型っていうか、尻が大きいのが良かったんだろ。おまえ、後ろからするの好きだし。昔からなんかいつも見られてるな~とは思ってたんだ。……そういうことか」
「見、!いや、み、見てたけどそれはそんなんじゃなくて、純粋にお前の泳ぎが綺麗で見惚れてたっつーか、尻、そ、そういうのはずっと後になってからで、いや何いってんだ?そうじゃなくてつまり、」
布巾をテーブルに置くと、遙はまだ動揺してあたふた言い訳している凛の腕を引き寄せて、チュッとキスして黙らせた。油でテカテカになった唇をぺろっと舌で舐めると、こってりしたソースの味がした。
「……食べ終わったら、もう一回しよう。『お尻の大きな人妻に惚れてる童貞大学生の松岡クン』っていう設定で。そうだな、下宿先の寮に掃除にきたパートのおれと部屋でふたりきり、片想いを拗らせたおまえが我を忘れて襲い掛かってきて、長らくダンナとご無沙汰のおれがついつい絆されてしまうって展開。そういうの、好きだろ?」
耳まで赤くした凛は、鼻息荒く遙を抱き締めると、ほそい腰から引き締まったまるい尻を執拗に撫で回した。
「ッんで、そんな詳細な設定すぐ浮かぶんだよ?」
「だいぶ前に渚の家で勉強会したとき、いっしょに見た。まあそれは童顔の幼な妻だったけど」
尻を撫でる手が明確な意図を持って、割れ目を指でなぞり出した。遙は「ン、」と熱い息を吐いて、それからペシっと凛の腕を叩いた。
「だめだ。ちゃんと残さず食べてから」
「生殺しだ……!」

ピザの空箱が散乱する床の上で、真上からのし掛かられてがくがく揺さぶられながら、厚い筋肉で覆われた背中に汗ですべる腕で必死に抱きついて、限界まで脚を開いて、遙はうわごとのように声を漏らした。
「あっぁっ大っき、すごいぃ……。松岡、クンの、ずっとガチガチで、こんなのおれ、すぐイッちゃう……」
「うぅ、おま、何か演技がさっきより迫真に」
「ちゃんとしろ」
「あっハイ」

(仕切り直し)

「っ俺、ずっと遙サンのことが好きで、小さい頃からずっと憧れてて。なのにあんな、あんな奴に奪われて……!(あんな奴とは?)」
「うれしい、おれも松岡……クンのこと、可愛いなって思ってた。あいつ、エッチも淡白で、滅多に帰ってこないから毎晩さみしくて……。だから今日は、やらしいこといっぱいして欲しい」
「た、淡白」
「設定だ」

真上から突き刺すように、ずぽ、ずぽ、夢中で出し入れする。キツいのによく滑る遙の中があんまり気持ちよくて、部屋中に響く派手な水音に、煌々と明るい中を全裸でまぐわうシチュエーションの厭らしさにさえ、目眩がしそうだった。ハッ、ハッと荒い息を吐くたび、犬のように舌が出てしまう。興奮しすぎてよだれが垂れる。なんだこれ中坊か?
「ハルッ、か、サン、中ッすげぇぬるぬるで気持ち、うぁ、ちんこ持ってかれそう、あっ出していい?ナカに出していいっ?」
「あ……あっ、もう?ン、いいよ出して。松岡クンの童貞卒業せーし、おれの中にいっぱい出して……」
「っぶは、」
「笑うな」

役に入り込んだ所為か、遙の匂い立つ色香のせいか、まるで本当に十代の頃に戻ったようだった。やばい全然もたない!遙の肉厚な尻を持ち上げるようにして、凛は腰を思いっきり押し込んだ。グポッ!という音がして、どうやら最奥に嵌まったらしかった。
「、あっ!?あっダメ、そこは駄目っ!入れちゃだめ、入っあっぁっ」
「あ~……、ナカ、めちゃくちゃ柔かく、なってっから、いつもより奥、入る……、すげぇ、」
設定を忘れて素の感想が出てしまった。いきなり体勢をひっくり返されて、遙は一瞬、目の奥が真っ白になるのを感じた。ぴゅ、と押し出されるように射精してしまう。後ろから尻をわし掴んで、指先が埋まるくらいに力を込めて、凛は無言で前後に腰を振って、ズン、ズプ、激しい抜き差しを繰り返した。
「あっぁっあっダメッりん、そこだめ、イってる、イッ、あぁ~……」
「、松岡クンじゃねーのかよ、遙サン……!あッイイ、きゅうきゅう締まってきもちい、はぁハル可愛い、可愛いのにケツがデカいの最高、あっ出る、出る」
「あっ——」

三度目の射精はあんまり奥で出されたので、感覚が追い付かずに遙は混乱した。出しちゃだめなとこに出されたような気がする……。つま先がキュゥ~と反り返って、足の指がビクビク痙攣した。腹の中が性器を絞る動きできゅんきゅん蠢いている。ナカだけで絶頂すると、波打つような快感がずっと続くので、いつも少し怖くなる。そのうち性器をずるっと引き抜かれて、遙は恨めしいような、さみしいような、ホッとするような矛盾する思いで目を瞑った。じわっと遅れて後ろが濡れる感触があった。流れ出てくる精液がどのタイミングで出されたものなのか、もうわからなかった。
「あっ……ぁ凛、すごかった、今の」
「……ん、ハルの奥スゲーうねってた。ハァ、めっちゃ出た……」
やべー癖になりそう、と呟いた凛を「バカ」とねめつけて、遙は足の間を恥ずかしい汁でべとべとに濡らしたまま、裸で畳にべたりと這いつくばった。
「もう動けない。松岡クンのエッチ。こんな、中学生みたいに何回もサカッて……」
「いやお前がもう一回って!あと童貞卒業は高2だからな遙サン、念のため」

最後のはもうほとんどイメクラプレイじゃなかったな、と思ったが、口にはしなかった。遙が意外にもノリノリだったので。いや、スゲーよかった……。思い出して口元がニヤけてしまう。最ッ高に燃えた。可愛くて美人でエロいプレイを許してくれる奥さん最高。ハル可愛い。そんでもって最高にエロい。俺がハルの尻めっちゃ好きなのバレたけど、もういいや。好きだよ。本当は顔を埋めて思いっきり深呼吸したいけど、それやったらさすがに変態!つって怒られそうだから、また別の機会に土下座してお願いしよう……。
射精後のやたら冷静な頭で、凛はふと「ハルと渚はなんの勉強会をしたんだろうか?」などとどうでもいいことを考えた。

疲れ果てて畳に頬をつけて寝息をたてている遙を後ろから抱き抱えるようにして、タオルで足の間を丁寧に拭いてやってから、風邪を引かないように自分が着ていたシャツを肩に羽織らせた。風呂まで抱いて行っても怒られないだろうか?白くて形のいい耳たぶを食むと「んん、」とちいさな子どものようにむずがるのが可愛かった。頬から滑らせるようにして、眠る遙の唇にキスをしながら、凛はしみじみつぶやいた。

「……なあ、なんだかんだ言ってハル、お前ってちゃんと俺のこと大好きだよな。お前がさ、俺にしか見せない顔があること知ってる。俺にだけくれる特別な愛情も知ってる。今日もさ、昔のお前なら絶対しないような恥ずかしいこと、今のお前が俺をすげぇ愛してくれてて、信頼してくれてるから許してくれたんだって、ちゃんとわかってる。ありがとな。俺お前のこと、一生大事にするからな。……愛してるぜ、ハル」

「……そういうことは、起きてるときに言え」
「寝てろよ!!!」